最近注目を集めている「低炭水化物ダイエット(糖質オフダイエット)」。中には「チャレンジしたいけれど、うまく体重が減るか不安」と悩んでいる方もいると思います。そこで今回は、低炭水化物ダイエットの朝食について徹底解説。カラダケアの栄養士がおすすめの朝食を紹介します。
低炭水化物ダイエット中も朝食を食べるべき理由
低炭水化物ダイエット中でも、朝食をしっかり食べることをおすすめします。。
朝食を抜くと血糖値が上昇しやすくなる
朝食を抜いてしまうと、昼食を食べた際に血糖値が上昇しやすくなります。血糖値が急激に上がると、大量に分泌されるのがインスリンです。インスリンは全身にブドウ糖を届けますが、余った糖分は脂肪に変化してしまいます。
朝食を抜くと血糖値が上昇することは、実験でも明らかになっています。実験では1日3回食べる日と、朝食を抜く日の血糖値を比較したところ、朝食を抜いた日のみ血糖値の急激な変化がありました。血糖値の変化によるインスリンの大量分泌を防ぐためにも、朝食はしっかり摂りましょう。
※参考:炭水化物・糖質|佐々木先生のためになる栄養学|食DE健康|生活協同組合ユーコープによる
体内のリズムをつくる
朝食をしっかり摂ることで、体内のリズム(時計)を整えられます。朝食を食べると体温が上がり、体の機能を起こしてくれるのです。体温が1℃上がることで、基礎代謝が13%増えるといわれています。1日の消費量で計算すると、およそ150kcalも消費が増える可能性があります。
朝食を抜いて体内リズムを崩すと体が飢餓状態だと錯覚し、脂肪を蓄えようとします。そのため、朝食をしっかり食べて、体のリズムをつくりましょう。
低炭水化物ダイエットにおすすめの朝食
低炭水化物ダイエットにおすすめの朝食を紹介します。以下を参考に、自分の糖質制限のレベルに合った朝食を選んでみましょう。
ゆる糖質制限におすすめの朝食
ゆる糖質制限は、1日130gまで糖質を制限する食事方法です。別名、ロカボとも呼ばれています。1日のうち1食の主食を減らしたり、3食で少しずつ主食の量を減らしたりします。初めてでも実践しやすいのが特徴です。
・関連ページ:栄養士監修!夕食だけ糖質制限のポイント・おすすめ食事メニュー
・関連ページ:【栄養士監修】糖質制限の朝食おすすめメニューは?
ゆる糖質制限の朝食でおすすめは、以下のようなものです。
- 糖質制限パン バターツイスト:8.7g
- 糖質制限パン チーズオニオン:7.3g
- ブロッコリーとベーコンのスープ:4.3g
- ヨーグルト:9.8g
糖質量合計:30.1g
- ※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
- ※参考:糖質10g以下のパン バターツイスト|無印良品
- ※参考:糖質10g以下のパン チーズオニオン|無印良品
白米や小麦粉を使ったパンは、糖質が高い食品です。代わりに食べる量を減らしたり、カリフラワーライスを食べて摂取量を少なくしたりしましょう。
他にもこんにゃくが入ったマンナンご飯や低糖質パンもおすすめです。トーストを食べる際には糖質の高い甘い果物を使ったジャムは避けましょう。
またカルシウムが含まれたヨーグルトやチーズを摂ると、脂肪の分解や代謝アップにつながると言われています。
温かい野菜スープは、体温を上げるのにうってつけの食べ物です。葉物野菜を入れて彩りをプラスして、食べごたえのあるスープをつくりましょう。野菜をたっぷり入れることで、食物繊維を摂取できます。
スタンダード糖質制限におすすめの朝食
スタンダード糖質制限は、1日の糖質摂取量を100g以下にする方法です。1食の糖質量を30g程度まで抑えましょう。
1日2食はおかず中心の食生活にしたり、普段の主食の量から4割くらい減らして食べたりします。血糖値が気になる方や、肥満体型を改善したい方におすすめです。
スタンダード糖質制限のおすすめ朝食は以下のようなものです。
- オートミール フルーツトッピング:21.7g
- チキンと野菜の温サラダ:1.6g
- 野菜ジュース(糖質オフ):3.6g
糖質量合計:26.9g
- ※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
- ※参考:カゴメ 糖質オフ 野菜ジュース|カゴメ
オートミールとは、オーツ麦を脱穀し加工したものでグラノーラの原料です。白米やパンと比較すると糖質が低いためダイエット中におすすめ。ただし、トッピングしすぎてしまうとカロリーがオーバーになる可能性もあるため注意が必要です。
食物繊維が豊富に入った野菜も温サラダにすることで、体が温まります。ドレッシングは、えごま油と醤油、酢、ナッツを混ぜたものをかけると良質な油を摂取できるでしょう。
主食を減らしたり、置き換えをしたりするとタンパク質の摂取量が減少することも。鶏肉や魚などタンパク質を多く含む食品を意識的に食べるようにしてください。
飲み物は甘味料が使われているものは避けましょう。
スーパー糖質制限におすすめの朝食
スーパー糖質制限は、1日の糖質量を70g以下に制限する方法です。1食の糖質量を20g程度まで制限します。主食や芋類、根菜、砂糖など糖質が多めな食材を控えるため、かなりハードな糖質制限です。糖尿病患者の治療の一環で、栄養士や医師がサポートしながら実施します。
スーパー糖質制限におすすめの朝食は、以下のようなものです。
- 巣ごもりキャベツ:3.7g
- ギリシャヨーグルト:4.9g
- 豆腐とアボカドのサラダ:7.7g
- 野菜ジュース(糖質オフ):3.6g
糖質量合計:19.9g
- ※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
- ※参考:カゴメ 糖質オフ 野菜ジュース|カゴメ
卵を使った料理を食べると、良質なタンパク質を摂取できます。豆腐や納豆などの大豆製品、乳酸菌が豊富なヨーグルトなどを使って、不足した栄養素を補いましょう。
ヨーグルトは、砂糖などをトッピングせずにそのまま食べてください。市販されている野菜ジュースやスムージーの中には、糖質が30gを超える商品もあります。成分表を見ながら、糖質量が高くないドリンクを購入し飲んでください。
おすすめはロカボの糖質制限・1食当たり20~40g
糖質制限をする場合、まずは緩やかなロカボから始めましょう。ロカボとは、1食およそ20〜40g程度糖質を摂取する制限方法です。一般的な食事では、1食100g程度糖質を摂取しているといわれています。
そのためロカボを実施するときは、白米や麺類などの主食を1/3程度に抑えるのがおすすめです。いきなりスーパー糖質制限レベルの食事制限をしてしまうと、栄養不足になります。スーパー糖質制限は、医師や栄養士の指導が必要な制限方法です。ロカボから実施して、徐々に体を慣らしていきましょう。
糖質は大切な栄養素
炭水化物に含まれている糖質は体にとって大切な栄養素です。体に取り込まれると、全身のエネルギー源として働きます。特に脳は、糖質だけがエネルギー源として働きます。
糖質を制限しすぎてしまうとエネルギー不足に陥り、頭痛やめまい、思考力の低下を感じる人もいます。そのまま放置すると「低糖質症」になってしまうことも。極端な糖質制限は避け、正しい知識を得た上で実施しましょう。
・関連ページ:糖質制限におすすめの食材を解説!
1日1食だけ糖質制限をとりいれてみよう
初めて糖質制限をする方は、まずは1日1食だけとりいれてみましょう。糖質制限では、食べ物の糖質量を計算しながら食べなければいけません。使う食材の糖質を調べて、毎食計算するのはかなりの手間とストレスが掛かります。
ストレスに耐えきれず挫折をしないためにも、朝・昼食・晩のどれかで糖質制限ダイエットを実施しましょう。
また糖質制限中は、野菜や海藻類から食べるのがおすすめです。食物繊維が豊富な野菜から摂取することで、血糖値の急上昇を防げます。バランスの良い食事を心がけて、栄養不足にならないよう注意してください。
・関連ページ:栄養士監修!夕食だけ糖質制限のポイント・おすすめ食事メニュー
・関連ページ:【栄養士監修】糖質制限の朝食おすすめメニューは?
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【記事監修】カラダケア管理栄養士 布田雅美